先日、写真好きの友人がうちに来て、オリンパス(Olympus) 35DCを置いていきました。使わないのでくれるそうです。
1970年代に作られたフィルムカメラ、レンジファインダーで、F.ZUIKO 40mm F1.7という良さげなレンズを搭載。そして、何より軽くてコンパクトなのが35DCのポイントなんじゃないかと思ってます。
二重像合致式のマニュアルフォーカスは初めてで、ちゃんとピント合わせられるか分からないけど、なんかいい感じの写真が撮れそうです。
オリンパス 35DCの基本仕様

オリンパス 35DCは1971年発売ということで、約50年前のフィルムカメラです。
公式が「デラックス(D)なコンパクト(C)」と言ってる通り軽量で、フィルム・電池・PeakDesignのアンカーを1つ装着した状態で、重量は520グラム、コンパクトです。
項目 | 仕様 |
---|---|
カメラ種類 | 35mmフィルム カメラ |
発売年 | 1971年 |
レンズ | F.Zuiko 40mm F1.7 |
絞り範囲 | F2.8 – F16 |
シャッター | プログラムAE式、1/500秒 – 1/15秒 |
フォーカス | 二重像合致式(0.85m – ∞) |
露出制御 | CdS式自動露出(ASA 25-800) |
サイズ | 112 × 70 × 50 mm |
重量 | 約500g |
電源 | 水銀電池1.35V(現在は代替電池が必要) |
主な特徴 | 自動測光、ポケットサイズ設計、簡単操作 |
F.ZUIKO 40mm F1.7レンズの特徴

オリンパス 35DCに搭載されているF.ZUIKO 40mm F1.7レンズ、このコンパクトカメラの魅力はこのレンズにあります!
まず注目すべきは最大口径F1.7という明るさ。70年代のコンパクトカメラとしてはなかなか明るいんじゃないかと?夕方や室内でもフラッシュなしで撮影できたりします。
焦点距離は40mm。50mmだとちょっと狭いなと感じるので、個人的には35mmくらいが好き。つまり40mmはいいかもということです。

レンズは固定なので、取り外すことも交換することもできません。これで撮れないやつは何を使ってもダメなんだよというメッセージでしょうか…
Cds測光(シャッターが切れない原因でもある)

正面から見ると、レンズの左側に黒い四角があります。35DCはこの受光部で測光しています。計測された露出はファインダー内に表示されます。
そして、35DCは暗いとシャッターを切れなくなるので、この測光部分は塞がないようにしましょう。

とにかくシャッターを切りたいという場合は、ロックフリーボタンを押しながら、レリーズボタンを押しましょう。
フィルム感度

ここでフィルム感度の設定を確認できます。
今はISO400のフィルムが入っているので、400と表示されていますね。
フィルム感度の変更

フィルム感度を変更するときは、フィルム感度変更環を回します。
このとき距離環が邪魔になるので、0.85(最短距離)まで回してから、その下のフィルム感度変更環を回すと、操作しやすいです。
上面パネル – レリーズボタンやフィルム巻き上げレバー

オリンパス35DCの上面パネルには、巻き戻しクランク、ガイドナンバー窓、フィルム駒数窓、レリーズボタン、フィルム巻き上げレバー、アクセサリーシューがあります。
あと、上からだとあまり見えませんが、フィルム巻き上げレバーの下には、ガイドナンバー切り替えダイヤルがあります。
フロントビュー – 正面から見た35DC

35DCを正面から見ると、左からセルフタイマーレバー、距離計測窓、ファインダーが見えます。
セルフタイマーレバー

左上にセルフタイマーのレバーがあります。下に90度回すと、約10秒でシャッターを切ってくれるようです。使ったことないので正確にはわかりません。
距離計測窓+ファインダー

35DCの正面中央部には距離計測窓があります。その右側はファインダーです。
この距離計測窓を塞いでしまうと、ピント合わせができなくなります。
背面パネル – ファインダーやBLCボタン

オリンパス35DCの背面パネルには、ファインダー接眼部、ガイドナンバーダイヤル、BLCボタンが見えます。
ファインダー接眼部

35DCのファインダーをのぞくと、真ん中にボヤっとした黄色い四角と、左下の赤い四角、下部の数字が見えます。
真ん中の黄色い四角は、ピントを合わせるためのやつです。で、ファインダー下部の赤い四角と数字は露出です。

35DCには前期型と後期型があり、後期型はファインダー左にバッテリーチェッカーボタンとランプが追加されているそうです。
参考:オリンパス 「OLYMPUS 35DC (BC)」分解・清掃・修理・初期型比較 | ヨッシーハイム
ピント合わせは二重像合致式
ピントが合っていない状態

ピントが合っている状態

35DCはレンジファインダーカメラです。レンジファインダーでは、ファインダーを覗くと中央部分が光っているように見えます。
この明るい部分で「二重像合致式」というピント合わせを行います。被写体を中央の明るい部分に配置すると、最初は二重に像が見えます。ピントリングを回していくと、この二重の像がだんだん近づいてきて、完全に重なったとき、ピントが合った状態になります。
つまり、二つの像がぴったり一致したら、正確にピントが合っているということです。
下のバーで露出をチェック
露出計測前

露出計測中

ファインダー下部にシャッタースピードとF値が表示されています。
レリーズボタンを半押しすると、右から左へ黒い針が移動すると思います。この黒い針が現在の露出です。暗い場所では、針が左側の赤い部分に近づいて「暗すぎる!」のでレリーズボタンが押せなくなります。
BLCボタン(逆光補正ボタン)

オリンパスの35DCにはBLCボタン(逆光補正ボタン)が付いています。こんなボタン付いてるカメラ始めてみた。
このボタンは、被写体が逆光になっている時に押すと、強制的に露出を上げてくれるボタンだそうです。
逆光でも被写体を明るく撮影できますね。
サイドビュー – 裏蓋の開閉ボタンなど
オリンパス35DCの左手側には、裏蓋の開閉鍵、シンクロソケット、接点切り替えレバーがあります。
裏蓋の開閉鍵

35DCの左手側、筐体底の部分には、裏蓋を開けるためのカギがあります。これを引っ張ると、裏蓋が開いて、フィルムを交換できます。
フィルムが入っている時は、基本的に開けないようにしましょう。
シンクロソケット、接点切り替えレバー

シンクロソケットと接点切り替えレバーはフラッシュを付けて撮影するときに使うんですが、このカメラで使うことはなさそう。
底面パネル – ロックフリーボタンなど

オリンパス35DCの底面には、ロックフリーボタン、巻き戻しボタン、電池室の蓋、三脚穴があります。
ロックフリーボタン|35DCのシャッターが切れないときの対処法
35DCは、暗すぎるところではレリーズボタンがロックされて、シャッターを切れません。でもどうしてもシャッターを切りたい。そんな時は、このロックフリーボタンを押します。
ロックフリーボタンを押している間は、明るさに関係なく、シャッターを切れるようになります。
「暗くてもいいから、とにかく撮影したい」ときや「フィルム交換後にレンズキャップを付けたまま空写ししたい」ときなどに使えます。
巻き戻しボタン
フィルムを使い終えたら、この巻き戻しボタンを押して、上面パネルの巻き戻しクランクを巻きましょう。巻き戻しが軽くなったら、完了です。
電池
35DCはもともとH-D(MR-9)1.35Vという水銀電池を使っていたようです。しかし、現在は手に入らないので、SR44とかLR44を使うようです。
参考:35DCの代用電池について(華麗なるヲタ族 ~哀と自虐に満ちた独り言の日々~)より

うちの35DCにはL1560Fというのが入っていますが、日本では売ってないっぽい?
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